●今回は中学生向け●
65箱目「1杯のみそ汁」
皆さん知っての通り、英語では、名詞には〔数えられるもの〕と〔数えられないもの〕があると考えます。
〔数えられない名詞〕は、冠詞の“a”をつけたり、複数形“~ s”の形にしたりはしません。
〔数えられない名詞〕を高校英語では「不可算名詞」と呼びます。
不可算名詞の中でも、特に飲み物や液体系の場合、数えたいときは入れる容器をつけて数えることができます。
「1杯のコーヒー」は a cup of coffee
「1杯の水」は a glass of water
と、中学英語で登場するのは、どういうわけか
a cup of ~, a glass of ~
ぐらいですが、実際はもっといろんな容器があります。
a bottle of ~ 「ビン1本の~」
a bowl of ~ 「ボウル(鉢)1杯の~」
a carton of ~ 「紙パック1本の~」
a bucket of ~ 「バケツ1杯の~」
a cask of ~ 「1樽の~」
というように。
以前、ある中学生が「『1杯のみそ汁』はどうすればいいですか」と聞いてきたので、「きみはどう思いますか」と尋ね返したら、
an owan of miso soup
と答えたのには大感心しました。
「みそ汁」は確かに miso soup でOKです。
owan が母音で始まるので、冠詞を an ~ とした所がニクいです。
でも、owan(お椀)は、英語圏では sushi、sumo ほどには知られていない語、モノですからねえ…おそらく、たいていの学校や塾の先生は、
a bowl of ~ としなさい、と言うでしょう。
bowl〔ボウル〕というのは、「《サラダとかを入れる》鉢」ですからね、ちょっと、お腕とは違うと思うんですけど。
わたし個人としては、an owan of ~ は大絶賛したいのですが。
ついでに言いますと、「スプーン1杯の~」は、
× a spoon of ~
ではありません。
a spoonful of ~
なので、注意してください。
●語り手/英語科・鈴田●