●今回は中高生向け●
78箱目「せーのっ!」
前回の記事(77箱目『急に人気者になりました』)で、英単語を一つ紹介しました。
数年前までは目にすることはほとんどなかったのに、現在では重要語となってしまったなあ、とわたしが思う英単語です。
今回は、その第2弾です。
それは、pandemic〔パンデミック〕です。
名詞としてなら「(伝染病などの)世界的拡大、爆発的感染」
形容詞としてなら「全世界に広まった」
という意味です。
以前なら、この語が登場するのは、限られた話題の時だけでした。
今はちがいます。
そう、皆さん、おわかりのように、コロナの世界的拡大により、新聞やテレビの報道番組などでこの語を聞かないときはないってぐらい口にされています。
よって、「コロナの世界的拡大、爆発的感染」のことを英語では、
the pandemic
と言えば良いです。
どうぞ、the がついていることに注目してください。
the というのは、共通認識を表します。
みんなが「せーのっ」って言いながら同じものを指さす感じです。
the には、そういう力があります。
これまで世界的拡大したものは、いろいろあったはずですが、現在の情勢においては、「世界的拡大のものは? せーのっ」ってやれば、全世界の人が「コロナでしょ」となるに決まっています。
ですから、今の時代においては、the pandemic だけで、「コロナの世界的拡大」ということになるんです。
もちろん、
the coronavirus pandemic
とか、
the COVID-19 pandemic
といった、より正確な言い方もありますが、今の時代、
the pandemic
だけで十分だと思います。
●語り手/英語科・鈴田
*今回、the の概念について、「共通認識を表す」とか「皆で『せーのっ』って指させる」といった説明・表現は、関正生(せき まさお)いう人の著作から、いただきました。
関氏は、非常に有名な予備校教師であり著作も数多く、わたしが大尊敬している先生です。
*あと、the の概念に関する話として、「英語のおまけ箱」58箱目「アメリカ大統領と学而会」もお読みいただければ幸いです。