●今回は中学生向け●
87箱目「看護師は走る」
前回 86箱目で「名探偵コナン」に言及した話を書いていたとき、ふと思い出したことがあります。
かなり以前の「名探偵コナン」で、『コナン変な子』と名付けられたエピソードがあったんです。
これ、ひらがなで書くと一発でわかると思いますが、
「こなんへんなこ」――そう、上から読んでも下から読んでも同じ(横書きだと、左から読んでも右から読んでも同じ)、という文になっています。
こういうのを「回文」と言います。
皆さんも、聞いたことがある回文がいくつかあるでしょう。
有名どころでは、
「竹藪焼けた」
「この子、どこの子」
「年末、つまんね」
「柿の木か?」
など。
英語にも回文はあるんですよ。
英語で回文って、言語構造的にほとんど不可能ではないかと一瞬思ってしまいますが、日本語に劣らず英語にも、いろいろとあるんです。
わたしが初めて知った英語の回文は、
Nurses run. 「看護師は走る」
見事に回文になっていますね。
その他にも、
Madam, I’m Adam. 「奥様、わたしはアダムです」
Was it a rat I saw ? 「それは、わたしが見たネズミでしたか」
Pull up if I pull up. 「わたしが引き上げたら、引き上げてね」
Now I won. 「さあ、わたしは勝ちました」
など、いろいろあります。
こうやって見せられると「ああ、なるほど」と思いますが、これを考え出せる人って、いったいどんな頭の構造をしているんだろうと感心します。
回文のことを英語では
palindrome 〔パリンドロウム〕
と言います(受験向けの辞書には載っていないと思いますが)。
●語り手/英語科・鈴田