中3生徒が英検1級合格!学而会の英検対策

英語のおまけ箱 133箱目「イヤな予感がする」

●今回は中学生向け●

おととし、NHKが1年間に渡って放送した語学番組に「英会話フィーリングリッシュ」というのがありました。

英語ネイティブ同士の会話でよく登場する表現をデータ化して、頻出度が高いものを取り上げていきます。

全体的な英文は中学生学習範囲のレベルですが、取り上げる表現については、表面的な訳で済ませるのではなくて、ネイティブはどんな状況でその表現を口にするのか、どんな「キモチ」なのかを丁寧に紹介するんです。

この「キモチ」を分析・理解することで、学習者はその表現が口から出やすくなるでしょ、というものです。

たとえば、
I don’t like this(it).
という表現があります。

この英文自体は小6、中1生さえも知っているものですが、ネイティブがこの文を発するときの「キモチ」も理解しましょう、と番組は指摘します。

まず、こういった場合の this は「現在のこの状況」を指している、と思ってください。

つまり、この文を発するネイティブは「この状況を好きでない=この状況はイヤだ」というキモチなんです。

そうすると、こういったキモチを日本語で表す状況を考えてみると、
「イヤな予感がする」
という日本語がピッタリ当てはまります。

場面 ①
【待ち合わせで女子二人が男子一人を待っているのですが、時間になっても男子がまだ現われず、だんだんと心配になってきて…】
女子A「かれ、こんなに遅れたことはないよ。イヤな予感がする
女子B「絶対大丈夫だって」
女子A「事故に逢ったのかも…」

場面 ②
【皆の前でスピーチをすることになっている男子。観客席を眺めて…】
男子A「観客多すぎ! イヤな予感がする。 間違えたらどうしよう」
女子A「心配しないで。めちゃ練習したでしょ。きっとバッチリだよ」

どちらの場面でも、下線部のところ、英語で表すならば、
I don’t like this.
で、本当にバッチリです。

ネイティブにバシッと通じます。

話者の「キモチ」が見事に伝わります。

I don’t like this(it).
を、「イヤな予感がする」のキモチ、としたセンスにわたしは非常に感心して、ここに取り上げました。

ネイティブの会話頻出表現やフレーズを、この番組は週に1回こんな調子で教えてくれました。

これまで「英語のおまけ箱」(おかげさまで100話超えです)で紹介した表現も、この番組でいくつか取り上げていました。

●語り手/英語科・鈴田
*今回は、「英会話フィーリングリッシュ・6月号」テキスト(NHK出版)を参照しながら書きました。

ネイティブがよく使うフレーズ「I don’t like this [it].」 —英語1億語のランキングより―【英会話フィーリングリッシュ】 | NHK出版デジタルマガジン