●今回は中高生向け●
1度言ってみたい!
学而会 英語のおまけ箱 49箱目
英語で Thank you. と言われたら、
(You’re) Welcome.
と返しますね。
この welcome は、「歓迎されている」という意の形容詞。
この文は「どういたしまして」と訳すのが普通ですが、ホントは「あなたは歓迎されています」と言っているんです。
感謝されたときの、「どういたしまして」に当たる表現は、まだまだあります。
(It’s) My pleasure.
pleasure〔プレジャ〕 は名詞で「喜び」の意。
「それは、わたしの喜びです」というわけです。
他に、
No problem.
「問題ないよ」
とか、
(That’s) OK.
というのも、よく聞きますね。
Don’t mention it.
というのもあります。
mention〔メンション〕 は動詞で「~のことを述べる」の意。
「お礼なんて言わないでいいから」の気持ちですね。
他にもいろいろとありますが、日本にいるネイティブ(主にアメリカ人)が話しているのを聞くと、No problem. が最も頻繁に聞くような気がします。
といっても、これは、まったくわたしの個人的感想なので、まちがっていたらすみません。
さて、「どういたしまして」の表現として、アメリカの、あるアクション映画の中で、
Forget it.
というセリフがありました。
男性の友人同士の会話だったんですが、これを聞いたとき、カッコいいなあと思いました。
早口で軽い感じで言うんです。
「おれへの礼なんて忘れろ」「なんてこたあないよ」という感じですね。
わたしも誰かに Thank you. と言われたら1度これを言ってみたいのですが、いまだに言う機会はありません。
これは、相手との関係によっては無礼な感じに聞こえそうだし、目上の人には使えなさそうだし、相手との人間関係、その場の状況を判断して使う必要がありそうです。
アメリカのミステリー系の、あるテレビドラマでは、もっとカッコいい「どういたしまして」が出てきました。
地元の女性刑事がFBIの女性捜査官と協力して、凶悪犯を捕まえます。
二人にはそれまで捜査法を巡っての対立があったのですが、刑事は捜査官に、あなたの助けでついに事件解決できたわという気持ちで、
Thank you. と言います。
FBI捜査官は、
Ditto.
とサッと答えながら、犯人を連行していきます。
公式の書類やリストを記入する際、上や右に記した同一の言葉を繰り返すときに「上(右)に同じ」という意味で、〃という記号を記しますね。
この記号は日本語では「ノノ字点」とか「同じく記号」と呼ばれているのですが、英語では ditto〔ディトウ〕と言うんです。
Thank you. という女性刑事に、捜査官は「こちらも同じ気持ちよ」「その言葉、そのまま、あなたに返すわよ」という気持ちで言ったわけです。
これもぜひ、1度使ってみたいと思っているのですが、使う状況を判断するのが難しいようです。
●語り手/英語科・鈴田●