●今回は中学生向け●
ドラゴンの訓練法
学而会 英語のおまけ箱 29箱目
学而中3生のみんなは、
how to ~(~ は動詞の原形)
という表現は、おなじみでしょう。
「~する方法」「~の仕方」ということですね。
how to ~ と言えば、数年前、 “How To Train Your Dragon” というアニメ映画がハリウッドで製作されました。
このタイトルにある train は動詞で「~を訓練する」の意。
「列車」ではありません。
よって、「ドラゴンを訓練する方法」ということです。
でも、日本では『ヒックとドラゴン』というタイトルで公開されました。
荒々しいバイキングたちが暮らす島があります。
その島は、空飛ぶドラゴンたちの来襲に、よく見舞われています。
そのたびに、勇敢なバイキングたちは戦って、ドラゴンどもを追い払っています。
皆の尊敬を集める首長の悩みの種は、ひとり息子のヒックのこと。
ヒックは非常に気弱な少年で、同年代の子どもたちからもバカにされている始末。
ところが、あるとき、ひょんなことから、ヒックは一匹のドラゴンと仲良くなります。
そのドラゴンとの交流を通して、人間とドラゴンは仲良く共存できるのではないかと思い始め、奮闘し出す、という物語。
日本では、同時期に公開された Disney の “Toy Story 3” に興行的に負けたようですが、“Toy …” に勝るとも劣らない、非常にすばらしい映画です。
こと、ドラゴンたちの飛行シーンは迫力満点で、DVD で鑑賞したわたしは、これ、映画館でぜひ見るべきだったなあと実に後悔しました。
ところで、主人公のヒックですが、実はオリジナル音声(英語)では、登場人物の誰もが、かれを「ヒック」とは呼んでいません。
Hiccup 〔ヒカップ〕と呼んでいるんです。
普通、hiccup は、名詞で「しゃっくり」の意。
動詞としてなら「しゃっくりをする」です。
「しゃっくり」という、ふざけたというか、バイキングにはまったくそぐわない名の少年が、最後は英雄的な行為を成し遂げるところが、ミソなわけです。
日本語では「ヒカップ」といっても、「しゃっくり」の連想につながらないので、「ヒック」という名に変えたのでしょう。
「ヒック」のほうが、しゃっくりを連想させますね。
●語り手/英語科・鈴田●