●今回は高校生向け●
73箱目「あとちょっとの所なんだけど…」
almost〔オールモウスト〕という単語があります。
「ほとんど」という日本語訳で覚えている人が多いでしょう。
ま、それで悪くはないと思いますが、もうちょっと正確に理解しておくほうが良いかもです。
almost は基本、all, every, no など、数や量に関する形容詞を修飾します(だから品詞的には副詞になります)。
almost all girls 「ほとんどすべての女子」
のように使います。
「ほとんどの女子」というつもりで
× almost girls
といった使い方はできません。
almost は、名詞にはつけられません。
それは most 〔モウスト〕 の役目です。
most girls
ならOKです。
almost は数詞(早い話が数字)も修飾できます。
almost 500 girls 「ほとんど5百人の女子」
数詞につけた場合は「およそ」「約」と訳すほうが良いかもしれません。
almost は、動詞も修飾しますよ。
この場合は、「もう少しで ~ するところだ」と、とらえて下さい。
He almost touched it.
「かれは《もう少しのところで》それに触りそうになった」
I almost forgot to say, …
「《もう少しのところで》言い忘れるところでしたが…」
というように。
というわけで、almost は何を修飾するのであれ、ある共通点があることに気がつきましたか。
それは「ある点まで決して至ってはいないけど、すごーく近い点までは至っている」ということなんです。
これが almost の核です。
“almost 500 girls”は「厳密にいうと500までは行ってないんだけど、まあ500にすごく近い数の女子」です。
“almost touched” は、「結局のところ、触ってはいないんだけど、そのギリギリのところまでは行った」ということです。
今回の話は大学受験生には非常に有益と言えます。
また、nearly という語がありますが、これは almost と意味も用法も同じ、と思っておいて大丈夫です。
●語り手/英語科・鈴田●