●今回は中学生向け●
74箱目 「ナイスな話」
These oranges are nice and sweet.
を「これらのオレンジは、すてきで甘い」
とやってはいけません。
たしかに、たいていの中高生は、nice は、形容詞で「すてきな《だ》」と教わります。
それは決して悪くはないんですが、
nice and ~
と言うときの nice は、「すてきな《だ》」ではありません。
この nice は「いい感じに」「良い具合に」と、とらえて下さい。
~は形容詞が来ます(副詞の場合もあります)。
とにかく、
nice and ~ は
「いい感じに~である」
ということです。
発音は、nice と and をひと続きに言う感じで、〔ナイスン〕と聞こえます。
冒頭の英文は「これらのオレンジは、いい感じの甘さだ(甘さがほど良い)」
ということなんです。
It’s nice and cool in the woods.
「その森の中は、いい感じに涼しい」
The coffee was nice and hot.
「コーヒーは、いい感じに熱かった」
The café was nice and cozy.
「そのカフェは、いい感じに居心地が良かった」
*cozy 〔コウズィ〕…「居心地が良い」
nice and cozy は、よく聞く表現です。
さらによく聞くのが、
nice and easy です。
もちろん、
The exam was nice and easy.
「テストは、いい感じに簡単だったよ(簡単でよかったよ)」
という場合でも使います。
しかし、たとえば、何か重くて貴重なものを苦労して運んでいる人に、
Nice and easy.
と声をかけた場合は、
「(あせらないで)ゆっくりね」「やさしくね」「そうっとね」
と言っているんです。
easy という形容詞は「簡単な」「やさしい」だけではなくて、「気楽な」「安心な」「(動作が)ゆるやかな」という意味もあります。
●語り手/鈴田・英語科