●今回は中学生向け●
89箱目「有料なんです」
前回88箱目で、borrow, lend という語について話しました。
「借りる」「貸す」を表す動詞は、中学生ならこの2語をおさえておけば十分ですが、高校生や英語をやり込みたい中学生は、あと2語、追加しておくと良いです。
それは、rent〔レント〕 と、 loan〔ロウン〕 です。
まず、rentですが、
rent A
で、「Aを借りる」「Aを貸す」です。
rent は「借りる」「貸す」どちらもアリなんです。
どうやって区別するの?と思うかもしれませんが、まったく心配いりません。
状況と文脈で絶対わかるので、大丈夫です。
『貸す』の意だとハッキリわからせたいときは、rent out という言い方をする場合もありますが。
それよりも、さらに大切なのは、rentは「有料で」という点なんです。
つまり、rent は、お金を払って借りる、お金を取って貸す、ということです。
前回取り上げた borrow, lend は「無料で」の貸し借りでした。
ですから、アパートやマンションを「借りる」のは、rent です(ちなみに、名詞の rent は『家賃』です)。
loan は、動詞としてよりも、名詞として見ることのほうが多いと思います(『貸付金』『融資金』)。
動詞の場合の loan は、
He loaned me a black tie.
「かれは、わたしに黒ネクタイを貸してくれた」
*tie …「ネクタイ」
というように、意味も使い方もlend とまったく同じ、と思っておいて大丈夫です(lend に関しては前回88箱目をご覧ください)。
lend よりも、いくぶん固い感じがありますが。
●語り手/英語科・鈴田