●今回は中高生向け●
97箱目「ハックション!」
前回に、
God bless you.
という英文を紹介しました。
「神があなたを祝福しますように」
という意味ですね。
実はこれ、英語圏では、けっこう耳にする文なんです。
たとえば、バス停で並んでいる人が、くしゃみをしたとします。
そうすると、その前後の人が、その人に向かって、
God bless you.
と声を掛けるんです。
くしゃみをした人と声を掛けた人はお互い知り合いでなくても、そうするのが普通です(コロナ禍で若干、情勢が変わってきたかもしれませんが)。
西洋の文化では、「くしゃみをする」というのは、悪霊がその人の体に入り込んでイタズラをしているのだ、と考えます。
だから、すぐ近くで誰かがくしゃみをしたら、くしゃみをした人や周りの人々を悪霊から守るために、
God bless you.
と、祈りの言葉を発するわけです。
日本語で言う「お大事に」に近い感じですね。
あと、God を言わずに、単に
Bless you!
という言い方がスゴく多いです。
これは、英語圏では「神の名をみだりに口にしてはいけない」という考え方があるので、そこから来ていると思います。
「日本に来て最初の頃は、くしゃみをしても、誰もBless you. と言ってくれなかったことが、寂しいというか違和感があった」という感想を持つアメリカ人をわたしは何人か知っています。
今度、学校で、ネイティブの英語の先生がくしゃみをしたら、すかさず、
Bless you!
と言ってあげましょう(たぶん、喜びます)。
ところで、日本語では、くしゃみと言えば「ハックション!」ですが、英語圏では違います。
Achoo! 〔アチュー〕
です。
●語り手/英語科・鈴田
*「ハックション」や “Achoo!”のように、生物の出す音や声を言語で表したものを擬音と言いますが、日本語と英語とでは擬音はかなり違います。
ここらへんに興味がある人は、11箱目「機関車はチュウチュウ」も一読ください。