●今回は全学年向け●
英語が通じない最大の原因
学而会 英語のおまけ箱 55箱目
あなたが海外の人と英語で話していて、どうも自分の英語は通じていないのではと感じたとき、「自分の発音がダメなのか」と思う必要は、ほとんどありません。
英語が通じない原因の9割は、単に「あなたの声が小さいから」です。
わたしは日々、中高生に接していて、本当にそう思います。
生徒たちの英語を聞くと、「声、ちっさ!」と、いつも思います。
でも、これは無理もありません。
ざっくり言うと、日本語というのは、もともと音量が小さい言語なんです。
周りの空気を読みつつ、できるだけ相手に圧迫感を与えずに話をすすめる、という文化の中ではぐくまれた言語です。
あと、日本家屋って、紙と木で出来ていたわけでしょ。
そんな環境で話す言語には、大音量は必要なかったんです。
その一方、英語圏は、何かを伝えたいのならば、ガンガン相手に圧迫感を与えながらハッキリと言葉にしないといけない、という文化です。
英語が話されている地域は、歴史的に複数の民族が入れ替わり立ち替わりしてきました。
住居も石とかレンガで出来ていたり、という具合でしょ。
そんな環境の中ではぐくまれた英語は、基本音量が大きい言語なんです。
英語ネイティブとおぼしき外国人が何人かで電車に乗り込んできて、ペチャクチャしゃべくりあっているのを聞いたことがあります?
かれらの大声なおしゃべりに、もっと小さい声で話せよと、つい思ってしまいませんか?
でも、これ、かれらのマナーが悪いわけじゃありません。
かれらは、普通に話しているだけなんです。
英語というのは、そのくらい大音量の言語なんです。
だから、ふだん日本語を話している感覚でわたしたちが英語を話すと、相手のネイティブには聞こえにくいはずです。
といっても、英語を話すときは、ちぎれんばかりの大声で、と言っているわけではありません。
日本語を話すときよりも「ちょっと音量アップ」ということを意識するようにして下さい。
具体的に言うと、英語を話すときは、おなかから発声するようにするといいです。
日本語は通常、のどからだけで発声する感じですからね。
日本の中高生の中でも、部活でコーラスとか演劇やっている子の話す英語は、けっこう聞き取りやすく感じます。
かれらはおそらく、無意識に腹式呼吸で発声するからでしょう。
●語り手/英語科・鈴田●