●今回は中高生向け●
134箱目「せめてもの救い」
前々回「英会話フィーリングリッシュ」というNHKの語学番組について話しました。
読んでくれた方たちからの「ためになった」「よく理解できた」という声がいつもより多かったように思ったので、今回もうひとつ、「フィーリングリッシュ」で取り上げた表現を紹介することにします。
今回は、文というより語句なのですが。
それは、at least という語句です。
この語句は、今の学校英語では高校で習います。
「最低限」「少なくとも」という訳語で教わります。
この後には数字が来ることが多いです。
しかし、この語句は数量だけではなく、話の内容についての「最低限」を表すこともできるんです。
つまり「ヒドい状況だけれど、最低限良かったこと」を伝えるわけです。
この場合、文頭に置くことが多いです。
このときのネイティブのキモチを表すウマい日本語としては……「フィーリングリッシュ」が、今度も的確な表現を提示してくれました。
それは、「…がせめてもの救い」です。
このセンスに、またまた、わたしは感心、感動させられました。
場面①
【女子二人が映画を見ました。後味が最悪な映画で…】
女子A「映画サイアクだったね」
女子B「ほんと。短かったのが救いだね」
女子A「次はいいのを見ようよ」
…下線部を英語で表すと、
At least it was short.
でOKですね。
場面②
【乗っていたバスが急ブレーキ…】
男子A「うわっ。怖かった~」
男子B「ケガ人がなかったのが、せめてもの救いだよ」
下線部は、
At least no one got hurt.
㊟ get hurt 「ケガをする」
で、バッチリです。
前回と今回提示した例文は、音読をする際は、ぜひキモチを乗せて声に出すようにすることをオススメします。
●語り手/英語科・鈴田
*今回も「英会話フィーリングリッシュ・6月号」テキスト(NHK出版)を参照しました。