●今回は中学生向け●
「シンデレラの由来」
学而会 英語のおまけ箱 54箱目
おとぎ話「シンデレラ」の物語は誰でも知っていると思います。
英語では Cinderella とつづり、発音は〔スィンダレーラ〕ってな感じです。
1950年、アメリカのディズニー社が「シンデレラ」の物語を長編アニメ映画化しました。
このアニメは今や古典的名作の地位を獲得しているわけですが、今から4年ほど前に、ディズニーは再び「シンデレラ」を映画化しました。
しかも、アニメではなくて実写版です。
実写版「シンデレラ」には、非常に興味深いシーンがあります。
あ、そうそう、シンデレラは、最初からシンデレラという名前だったのではありません。
かのじょの、もともとの名は、 Ella〔エラ〕と言うんです。
まず、このことを知っておいてください。
さて、エラは、イジワルな継母と二人の義理の姉に毎日こき使われています。
ボロ着姿で、掃除、洗濯、炊事など、朝早くから夜遅くクタクタになるまで働かされます。
ある日、エラが継母たちに食事の給仕をしにやってくると、継母が「あんた、何を顔につけてんのよ」と言います。
暖炉の手入れをしていたので、エラの顔や髪には、cinder〔スィンダー〕がたくさんついていたんです。
cinder というのは「《まき・石炭などの》燃えがら」「消しずみ」のことです。
そして、イジワルな姉の片方が「わたし、エラの新しい名前を思いついたわ」とか言って、
「Cinderwench《スィンダーウェンチ》 ってどう?」
と提案します。
wench〔ウェンチ〕 は、早い話が girl と同じような意味ですが、否定的な意味合いが強く「召使い女」「田舎娘」という感です。
よって、 Cinderwench を無理に日本語にすると「燃えがら娘」といった具合ですかね。
すると、もう一方のイジワル姉が、
「それよかさ、Cinder《スィンダー》 と Ella《エラ》をくっつけて、Cinderella《スィンダレーラ》 が良くなーい?」と言います。
そして、継母、姉二人とも「ウケる~、それ」というノリで笑い合います。
というわけで、わたしは恥ずかしながら、この場面で初めて、シンデレラの名前の由来を知りました。
アニメ版はずっと昔に見ていますけども、それにはこんな場面はなかったと思うんですけど。
そういえば、シンデレラの物語は、日本では昔(明治、大正時代あたりですが)、「灰かぶり姫」という題で紹介されることもあったようです。
●語り手/英語科・鈴田●